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2010.08.05

【小説】女神は暁に詠う(天蛇将誕生秘話)7

Rughadjeen7

命令はなくとも、歴戦の兵士達は己の判断で戦いを続けていた。

思った通り、長い遠征で敵は疲弊している。バルラーンラインもこう着状態だったが、バルラーン防衛軍が釘付けという事は、マムージャの戦力もそこから動けぬという事だ。
(まだ、勝機はある・・)
「サジャルダ!」
「はい!」
「お前はここの指揮を取れ、私は西門へ行く」
「はい!」

我ら皇国軍は、トロール傭兵団とマムージャ蕃国軍を撃退し、皇都を守りきった。


敵が去ると、別の敵が戻って来た。上官という敵が。彼等は私の越権行為を問題視し、私は独房に軟禁された。見張りの兵士達は私に好意的だったので、特に不自由を感じる事はなかった。彼等は上司の目を盗んでは、こっそりと私に話しかけた。私の処分に関しては、厳罰を望む者もいたが、今回の功績を無視すべきでないという意見もあるという。

「戦を知るお偉方ほど、ルガジーン殿を擁護されております」
一人の兵士が、扉の小窓から小声で言った。
「次に大軍が押し寄せて来たら、今の指揮官では心許ないと、さすがに・・」
私は遮った。
「いや、先の勝利は私の手柄ではない。兵士諸君の奮闘があってこそだ」
兵士はため息をついた。
「心からそうおっしゃって下さるのは、ルガジーン殿位ですよ。お偉いさん達にとって、俺達は捨て駒ですからね」


亡き父が、或る時に私に言った。
「人の上に立つ者は、心に獅子と狐を飼わねばならぬ」
その言葉の意味が、今の私には理解出来る。

祖父が何故海を渡ったのか、今の私になら解る気がする。そしてこの国でも、祖父は故国と同じ憂き目にあったのだろうと。晩年の祖父の背中を私は思い出す。失意の漂う背中を。祖父の剣はひたすらに真っ直ぐだった。それ故に強くもあり脆くもあった。父はそんな祖父を見て育った。あの時、父はこうも付け加えた。

「だが、狐に獅子を食われてはならぬ」

父も又、誇り高い人であった。



(つづく)

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