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2010.08.04

【小説】女神は暁に詠う(天蛇将誕生秘話)6

Rughadjeen6

アトルガンの空が見える。

青に微かな緑が混じる、見慣れた空の色だ。
狭い窓に切り取られた空は、今日も晴天で気持ちが良い。

長時間外を見る事は許されていない。
私は窓際を離れた。

窓から射し込んだ光が、石の壁に嵌め込まれた小さな鏡に反射した。剥げかけた鏡を覗き込むと黒い髪の男が映っていた。不思議な気分だ。いつも兜を着けた自分に慣れていたので。私は自分の髪がこんなに長いと思っていなかった。紐や縄の類は取り上げられたので、束ねる事は出来なかった。私は首を括るような人間ではないが、規則は規則であった。

独房での生活も十日が過ぎようとしていた。石の壁に囲まれた部屋。分厚い木の扉の上部に小さな窓があり、時折見回りの兵士が顔を覗かせる。常日頃から寝る場所さえあれば良いと思っていたので、部屋の狭さは気にならなかった。唯一の家具である寝台に粗末ながらも寝具がある事は、戦場での生活と比べれば極楽である。

辛いのは、我が手に剣がない事だった。
木綿のシャツが私に許された唯一の鎧であった。


少女達と別れ、戻った戦場は、困難の極みにあった。指揮官達は戦いの先陣を切る所か、逃亡の最先端にいた。兵士達は戸惑い、戦いは一方的になりつつあった。

サジャルダは私の姿を見つけると、半泣きの顔で言った。
「西門を突破されました!!我が装甲大隊のみが奮戦中であります!!」
「他の隊はどうした?」
「指揮系統が混乱しており・・・」

一人の兵士が駆け寄って来た。傭兵である。敏捷そうなミスラだった。
「大隊長殿、ご指示を!!」
「君の隊は何名健在だ?」
「ニ十八名です」
私は彼女とその部下に、各隊の様子見と敵状の偵察に行かせた。


(つづく)

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